本プログラムについて
教室での学問から外に目を向けると、地域社会には環境保全や防災、商店街の活性化、子育て、介護など、さまざまな課題があることが分かります。こういった課題の解決に求められているのが、地域創りを推進する知識とスキルを持ち合わせたリーダーです。
この特色プログラムでは、地域で活躍しているゲスト講師による講義を通じて地域の課題や取組みを理解し、組織づくりのノウハウやプレゼンテーション力を身につけ、実際に地域社会の人々を対象としたイベントを企画、実施することで地域社会のリーダーとして必要な資質を養成します。
授業は、企画運営力を磨く実践型プログラムで、2年後期から4年前期の2年間あります。2年次の「地域活性化論」では、地域で活動する団体からゲスト講師を招いてお話を伺い、地域の課題や取組みを学びます。また、「NPOマネジメント論」では、持続可能な地域創りのために一人ひとりが貢献する必要性やNPOの役割を学びます。それらをヒントに自分たちがどのような活動をしていくかを考えます。3年次の「地域活性化総合実習」では、グループに分かれ、外部団体の協力のもと、地域住民を対象とするイベントを自分たちで企画・実施します。4年次の「プレゼンテーション演習」では、自分たちの活動を振り返り、発表します。全学部生を対象にした授業なので、学部を超えた仲間と一緒に学び、協力して地域で実際に活動します。詳しくはこちらをご覧ください。
代表的な活動
防災ウォッチ
防災ウォッチ
地震が起きたときに危険なものと身を守ってくれるものを、子ども達にも分かりやすく伝えるため、「防災ウォッチ」と名づけた防災教育ツールを開発。この企画は、平成28年度 1.17防災未来賞 ぼうさい甲子園において、大学生部門の奨励賞を受賞しました。西宮市防災啓発課と連携し、各小学校区の防災訓練において「子ども防災コーナー」を担当したり、名古屋市港防災センターにおいて「防災ウォッチ」をメインとしたイベントを実施したりと、本プログラムを代表する企画として活動を続けてきました。
高齢者福祉
少子高齢化社会が進む現在、社会問題となっている「高齢者の孤立」に着目。西宮市社会福祉協議会と連携しながら、地域の高齢者との交流を深めてきました。市内にある「つどい場」への見学や、認知症サポーター養成講座の受講を通じて学んだことを生かし、大学周辺にお住まいの高齢者が集まる岡田山集会所にて、月一回のイベントを企画・運営。交流を通して、地域と高齢者との繋がりを強化することで、孤立化を防ぐきっかけ作りを行いました。
大学周辺のお店の活性化
大学のある阪急門戸厄神駅周辺のお店の活性化を目的に活動しました。門戸厄神地域活性化委員会主催の門戸井戸端会議に定期的に出席し、地域の方々と意見交換を行いました。本大学の学生を「潜在顧客」と考え、アンケートによる調査を行い、お店紹介MAP・パンフレットの作成、SNSやHPを用いた広報、お店を回るツアーの実施など、精力的に活動を行いました。
子供の居場所づくり
貧困家庭の子ども達が集まる施設やこども食堂に訪問し、直接触れ合うことで見えてきた様々な課題の解決にむけた活動を行いました。「食育」の観点から、活動のフィールドを甲山農地にも広げ、野菜の収穫イベントやお弁当作りのイベントを開催。また、進学を見据え、様々な学部・学科に所属する学生達の専門性を生かした「学習支援」のイベントも実施しました。
お知らせ
一般の方々を対象にしたプログラムやイベントのお知らせです。
Instagram @kc_chiiki.kc
2020年度に開設しました。こちらもご覧ください。
履修生・修了生の声
環境・バイオサイエンス学科 4年生
門戸厄神駅周辺のお店の活性化
私たちは、先輩の活動を引き継ぎ、女学院生と門戸厄神駅周辺にあるお店との結びつきを強くしたいと思い、門戸の活性化に取り組みました。これまでよりも活動範囲をさらに広め、門戸コレクションと題したSNSによるお店紹介や、女学院生対象のイベントを企画しました! SNSではお店にご協力いただき、イチオシメニューや店長様のお写真などの情報を発信し、イベントでは、実際に飲食店を巡るツアーや、学内においてビュッフェ形式で試食しながらのお店紹介をしました。その結果、女学院生に多くのお店を知ってもらうことができました。
このプログラムでは、学科や専門が異なるメンバーが集まります。時間割が合わず、顔を合わせた情報共有を行うことに苦労しましたが、周りの方々に支えられ、自分がやるべきことに気づくことが出来ました。自分たちの活動が成果に繋がったときはとても嬉しかったです。きっと私たちの方法以外でも地域の活性化はできるので、みなさんもぜひ、地域創りを体験してください。
環境・バイオサイエンス学科 4年生
貧困家庭の子どもの支援
私たちは、地域で暮らす子どもたちのための支援活動をしました。対象としている地域の子どもたちの中には、金銭的な問題で進学を諦めている子、いじめを体験して学校や人と関わることが嫌になっている子がいることを知り、学校以外でも居場所があることを伝えたいと思いました。また子どもたちと関わっていくうちに見えてきた自己肯定感の低さも気になり、二回の企画イベントを通じて子ども達に視野を広めてもらいたい、自己肯定感を高めてもらいたいと考えました。イベントでは、パーティーの中で料理や勉強を楽しんでもらったり、神戸女学院大学の一日体験をしてもらったりしました。その結果、学校や進学に興味をもってくれるようになり、そして何より、出会った頃より子どもたちの雰囲気が明るくなったことが嬉しかったです。
またこのプログラムを通して、相手のことを考えて行動することの大切さを学びました。
一人でこなすだけではだめ。みんなと本音で話をし、一緒に取り組むことで見えてくることもありました。