将来の進路
人間科学という学びの幅広さは、将来の進路の幅の広さにつながります。誰もが知っている企業から、自分だけが飛び込む未知の世界まで。どの道に進むかは、あなた次第です。ここではその一端をご紹介します。
1.文理融合の学びを活かした、幅広い業界への進路が開かれています。
N・Mさん 心理・行動科学科
2014年卒業 月桂冠株式会社
専門分野以外にもいろいろな科目に挑戦できるカリキュラムだったので、あらゆることに興味を持っていた私は、分野にこだわらず幅広く履修しました。
1、2年生では「心理学入門ゼミ」で心理学の基礎を学び、「心理行動科学実験実習」で実習を経験しながら人の心の測定方法などを勉強しました。同時に、「食品学」や「女性学」など、所属学科以外にも学びの幅を広げました。
様々な授業を受ける中で、日々の生活に最も身近な学びが社会心理学だと感じ、3年生からは小林知博ゼミに所属しました。同じ年、酒造会社のインターンシップに参加し、お酒というツールが人と人の良好な関係性を育むことに共感。他のゼミ生とさまざまなテーマで議論してきたこともあり、食品と人との関係を心理的な部分から意識するようになり、就職先にも酒造会社を選びました。
K・Nさん 心理・行動科学科
2015年卒業 株式会社ファースト
電話の音声ガイダンスやボーカロイドなど、身の回りに 人工音声が増えていることに興味があり、ゼミではそれ らが人の注意力に与える影響について研究していました。 就職活動を始めてからマーケティング業界を知り、消費 者の購買心理を考えて物を売るという手法に興味を持つ ように。
現在はマーケティング会社の営業職として働い ています。ゼミでの研究内容は現在の業務と直接関係し ませんが、消費者行動を調査する際などに大学で養った 論理的思考が役立っていると実感します。デジタル化が 一般的な現代社会において、今後、人工音声を扱った依 頼が入る可能性も。「商品を購入しよう」とする頭に訴 えかける音声とはどんなものか? その時、卒業論文で 研究した内容を活かすことができればと思います。
M・Sさん 環境・バイオサイエンス学科
2015年卒業 ヤンマー株式会社
この大学の志望理由は、ここなら大好きな生物について思う存分、勉強できると思ったからです。細胞、植物、動物等の多くの分野のゼミに魅了されました。その中でも、身近な人体に興味を持って健康医学の西田ゼミに入りました。研究の中で、病気の原因、その治療法等、疑問を自分の頭で考え抜く力が養われました。
今の貿易の仕事では輸出する製品について技術者に聞く時、自分がどう質問したら相手は説明しやすいか、考えながら問いを立てます。疑問を相手に丸投げせずに深く考えることで、相手との意思疎通を円滑に進めることができています。大学時代に培われた考える力が仕事を理解する為の土台となって、私を支えてくれていると思っています。
2.他学部にはない、人間科学部ならではの進路もあります。
A・Kさん 心理・行動科学科
2015年卒業 精神保健福祉士 小阪病院
心理学は心について知る学問だと思っていましたが、「心理学入門ゼミ」で心理学の歴史や成り立ちといった基礎を学び、幅広い専門分野があることを知りました。 共通科目や他学科の科目も積極的に履修し、物事を多面的に見る大切さにも気づくことができました。
2年生から精神保健・福祉の専門科目を履修し、社会的入院といった精神障がい者を取り巻く実態を知って精神保健福祉士(PSW)をめざす意思を固め、3年生から精神保健福祉士養成課程を選択しました。4年生には、アルコール・薬物依存専門の病院と就労支援施設で実習。「精神保健福祉援助実習」や水本ゼミで現場見学や社会活動のサポートを体験していたものの、実際に患者さんの苦しみに直接触れ、精神科病院で働きたい気持ちがますます強くなりました。 今は、一日も早く患者さんに寄り添えるPSWになることだけを考えています。
K・Eさん 環境・バイオサイエンス学科
2015年卒業 香川県公立中学校 教諭
中学時代に素晴らしい先生と出会い、「私もこんな先生になる!」と決意。教職課程を履修し、念願の中学教員 になりました。リベラルアーツ教育に力を注ぐ神戸女学 院大学は、教員という人としての魅力が求められる職に ふさわしい、教養と知性を身につけられる場所でした。
岡田山の豊かな環境の中で「物理」「化学」「生物」「地学」 の4分野を幅広く勉強できたことは、理科の根本である 「科学の面白さ」の実感につながったと思います。少人数制で相手のことがしっかり見える距離感や、学科を超えたカリキュラムを選択できたことも、さまざまな価値観を学ぶきっかけになりました。今後も理科の教員として、大学で身につけた専門知識やスキルを活かし、生徒をぐっと惹きつける授業を行っていきたいです。
Y・Tさん 環境・バイオサイエンス学科
2013年卒業 大阪府環境職
フィールドワーク中心の授業や自然が多い大学の環境に惹かれ、本学科を選びました。在学中は、もともと興味のあった生態学をはじめ、環境科学や生命科学、食品機能学など幅広く学びました。講義やゼミで得た、様々な分野の専門知識や卒業研究課題の進め方などは、総合研究所の経営企画を推進するうえで、自らの土台となっています。
また、大学生活の経験の中で身についた「自ら課題を見つけて解決策を考え、行動する」、そして「相手の考えを尊重しつつ、自分の意見を伝える」といった自律的な考え方は、周りの職員と円滑に仕事を進めるうえで、役に立っています。 本学での学びを振り返ると、個性や何かに興味をもつ気持ちを尊重してくださった先生方や友人たちへの有り難さが改めて身にしみ、感謝の気持ちでいっぱいになります。
3.就職だけが進路ではありません。大学院や研究所で、より深く専門分野を追求する人も。
K・Mさん 心理・行動科学科
2016年卒業 神戸女学院大学人間科学研究科人間科学専攻 臨床心理学分野
自らのエレクトーン演奏や作曲を通じ、音楽が心に与える影響に興味を持っていました。授業の中で音楽の力を体感したのは、音楽学部の「音楽療法基礎演習」で他学部の学生とともにトーンチャイムの合奏をしたときです。音楽は、初めて出会った学生同士の心もつないでくれました。
2年生には、「心理行動科学実験実習」で、心と行動のメカニズムを調査・実験・考察。レポートに苦労しましたが、先生が質問に対して丁寧に答えてくださり、添削も具体的だったおかげで、考察力と文章力を高めることができました。3年生からは、臨床心理学領域の専門科目のほか、音楽関係の科目を多数履修。これらの知識は、「オルゴール音楽聴取による感情の変化~“悲しみ”を中心に~」をテーマにした卒業研究にも生かされています。大学院で音楽を使った研究を進め、臨床心理士になることが目標です。
O・Aさん 心理・行動科学科
2016年卒業 神戸女学院大学人間科学研究科人間科学専攻 人間行動学分野
現在は大学院で、子どもを対象とした交通安全教育について認知心理学の視点から研究しています。大学在学中は、ゼミ所属前の2年生から丁寧な指導を受けました。
研究は「できる・できないを考える」のではなく、失敗を恐れずに「行動してみる」ことが大切です。まだ何を研究したいのかわからない人の方が多いかと思いますが、おもしろい研究テーマはたくさんあります。日常生活や講義で疑問に思ったことや明らかにしたいことを積極的に先生と議論することをおすすめします。
A・Sさん 環境・バイオサイエンス学科
2016年卒業 京都大学大学院 人間・環境学研究科
人の暮らしに貢献する食品関連の研究に興味があった私は、メディアでも耳にすることの多い「抗酸化性」をゼミの研究テーマにしました。そこで研究の面白さを感じ、卒業後は就職は視野に入れず、京都大学の大学院に進学することに。大学では人の健康に関わる研究をしていましたが、現在は細胞を用いて、人の疾患に関わる研究をしています。
大学院に進んでから、神戸女学院大学では 実験の基礎を細かく丁寧に教えていただいたと実感しています。少人数制のおかげで不明な点はすぐに先生に聞くことができ、わからないままにすることがありませんでした。また、自分が本当にやりたい研究を見つけ出せたのは、神戸女学院大学に自然や環境、食品や健康など幅広い分野を学べる環境が整っていたからだと思います。