生態毒性学研究室
横田 弘文教授

私たちの日常生活の中で、化学物質はもはや必要不可欠であり、生活の質の向上に計り知れない恩恵をもたらしています。しかし一方で、海洋汚染、オゾン層の破壊、有害廃棄物の越境移動など、地球的規模の化学物質汚染問題が存在しているのも事実です。
私たちの研究室では、人間が使用した後、環境中に放出された化学物質が環境生物にどのような毒性影響を及ぼしているのかを明らかにすると共に、その毒性影響をできるだけ早期に検出する方法を、主に魚類やミジンコを用いて研究しています。


化学物質の環境生物に対する毒性影響を評価するため、主に魚類やミジンコを用いた室内曝露実験及びフィールド調査の両面から研究を行っています。
さらに、これらの研究成果を活用して、実際の環境下で化学物質の毒性影響を早期に検出できるようなバイオモニタリング法も開発しています。
また、西宮市から委託された野生メダカの保護・育成活動にも取り組んでいます。

- 専門分野 生態毒性学
- 学位 農学博士
- 研究室 理学館 32室
- オフィスアワー 月曜日 11:30~12:00
【受験生の方へ】
環境問題、特に化学物質の安全性などに強い関心を持っている方であれば、文系理系卒の有無は関係ありません。私たちの暮らしが安全・安心なものとなるよう、ぜひ一緒に研究していきましょう。
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研究主題・研究業績を見る
<研究主題>
1.化学物質の魚類及びミジンコに対する毒性影響に関する研究
2.野生メダカの保護・育成に関する研究
<研究業績>
■著書
[共著] Kobayashi M, Kamide S, Yokota H, Iwata E, Reproductive behavior of wild Japanese medaka. In: Medaka: Biology, management, and experimental protocol vol 2. (Ed by Kinoshita M, Murata K, Kamei Y, Naruse K, Tanaka M), Wiley-Blackwell, 2018, in press.
■学術論文
[共著] 江口さやか,文木春菜,横田弘文,明石川水系に生息するメダカの遺伝子型分布および遺伝的撹乱,神戸女学院大学論集,第65巻,1-9,18.12.
[共著] Yokota H, Yuri Taguchi, Yuka Tanaka, Mami Uchiyama, Mizuki Kondo, Yukinari Tsuruda, Tomoko Suzuki, Sayaka Eguchi, Chronic exposure to diclofenac induces delayed mandibular defects in medaka (Oryzias latieps) in a sex-dependent manner. Chemosphere 210, 139-146, 18.11.
[共著] Yokota H, Higashi K, Hanada E, Matsuzaki E, Tsuruda Y, Suzuki T, Nakano E, Eguchi S,Recovery from reproductive and morphological abnormalities in medaka (Oryzias latipes) following a 14-day exposure to diclofenac. Environmental Toxicology and Chemistry 36, 3277-3283, 17.12.[共著] Yokota H, Eguchi S, Hasegawa S, Okada K, Yamamoto F, Sunagawa A, Tanaka M, Yamamoto R, Nakano E, Assessment of in vitro antiovulatory activities of nonsteroidal anti-inflammatory drugs and comparison with in vivo reproductive toxicities of medaka (Oryzias latipes). Environmental Toxicology 31, 1710–1719, 16.12.
[共著] 横田弘文,桑原なつき,中野瑛子,江口さやか,武庫川水系に生息する野生メダカの遺伝子型分布及びヒメダカ遺伝子の移入実態,地域自然史と保全,第36巻,53-58,14.06
[共著] Yokota H, Yamashita A, Uenokatsu M, Tsujimura K, Nakano E, Eguchi S, Effect of butylparaben on the reproduction of medaka (Oryzias latipes). Japanese Journal of Environmental Toxicology 16, 107-116, 13.03
[共著] 江口さやか,石田紗也,養田唯,浦部文香,山本義和,横田弘文,神戸女学院および西宮市内に生息する野生メダカ (Oryzias latipes)の遺伝子型分析,神戸女学院大学論集,第59巻,11-20,12.06
[共著] 小林牧人,頼経知尚,鈴木翔平,清水彩美,小井戸美香,川口優太郎,早川洋一,江口さやか,横田弘文,山本義和,屋外池における野生メダカの繁殖行動,日本水産学会誌 第78巻,922-93,12.05
[共著] Yokota H, Eguchi S, Nakai M, Development of an in vitro binding assay for ecdysone receptor of mysid shrimp (Americamysis bahia). Aquatic Toxicology 105, 708-716, 11.11
[共著] 横田弘文,江口さやか,メダカの繁殖条件に関する基礎的検討:産卵行動における性比及び水温の役割,神戸女学院大学論集,第58巻,123-131,11.06
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卒業論文題目
2022年度
・解熱鎮痛剤ザルトプロフェン曝露によるメダカの下顎欠損に関する研究
・ジクロフェナク曝露におけるメダカの繁殖不全関連遺伝子の発現挙動
・重合開始剤2-メチル-4’-(メチルチオ)-2-モルホリノプロピオフェノンがメダカの繁殖に及ぼす影響
・セルロースナノファイバーのミジンコに対する毒性評価
・ヒメダカの生殖行動における発音解析
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最近の出来事
2023.7.25-26 卒論中間報告会&前期打ち上げを行いました
4年生の各班が、前期の間に実施した研究内容を3年生の前でわかりやすくプレゼンしました。
また、翌日はゼミ恒例の前期打ち上げ粉もん会を4年ぶりに実施しました。教員はお好み焼き(広島風)担当と決まっており、学生はたこ焼きやチジミを作って、みんなで美味しくいただきました。
2023.6.30 読売新聞の取材を受けました
京都市の花園教会水族館で展示されていた水槽の魚が大量死した件で、読売新聞の取材を受け、専門家の立場から大量死の原因についてコメントしました。
◆2023年6月30日(金)朝刊掲載
「水族館」で屋外展示の魚が大量死…水槽の中にたばこの吸い殻1本
https://news.yahoo.co.jp/articles/7108ba32f957a4b369b6971147929ace29a9cc71
2023.5.29 野生メダカのサンプリング
5月23日、4年生二人と宝塚市内のため池にメダカのサンプリングに行きました。卒業研究で生息しているメダカの遺伝子型を解析し、在来集団なのか移入集団なのかを明らかにしていきます。
2023.5.29 ゼミ配属の3年生歓迎会
5月23日の放課後、約4年ぶりにゼミに配属された3年生の歓迎会を行いました。3、4年生混合で数グループに分かれて、クイズなどで楽しみました。13名の3年生の皆さん、2年間よろしくお願いします。
2020.2.6
2月4日に2019年度卒業研究発表会が開催され、横田ゼミからは以下の5題を発表しました。4年生の皆さん、連日遅くまで残って準備しか甲斐あって、どれも素晴らしい発表でした。お疲れ様でした!
①オオミジンコにおけるマイクロプラスチックの動態解析
②メダカの発音に関する基礎的研究
③ジクロフェナクがネッタイツメガエルに及ぼす影響に関する研究
④メダカ透明骨格標本を用いた三重染色法の確立及びジクロフェナク誘発性下顎欠損メダカへの適用
⑤宝塚市西谷地区に生息する野生メダカの遺伝子型解析及び生息地における環境DNA分析の適用性
2020.1.27
去る12月21日に、3年生、4年生及び修士1年生が、兵庫県主催の「ひょうごユースecoフォーラム」でポスター発表をしました。発表内容は、今年度卒業研究で取り組んだ「宝塚市西谷地区における野生メダカの遺伝子型解析及び生息地における環境DNA分析の適用性」でした。興味を持っていただいた市民の方や高校生に丁寧に説明しました。
2019.9.10
先週、3年生、4年生で毎年恒例のゼミキャンプに行きました。今年は天候も良く、川遊び、BBQ、花火、星空観賞etc.予定していたイベントすべて満喫できました!
2019.8.2
卒業研究及び修論研究の一環として、兵庫県のとある水系に生息する野生のメダカのサンプリングに出かけました。猛暑の中、みんな懸命に捕獲しました!
2019.7.22
一昨日開催された西宮市メダカの学校に、今年も参加しました!紙芝居とポスターでメダカの国内外来種問題を子供たちにわかりやすく紹介しました。
2019.7.16
本日、前期の3年生ゼミで、遺伝子型解析を行い西宮メダカであることを確認したメダカの稚魚を、3年生全員で学内の噴水池に放流しました!
2019.6.24
先日、4年生みんなで助手(教学職員)さんの誕生日をお祝いしました!
2019.4.24
今年度も12名の3年生が配属されました。大学院生1名、4年生12名、3年生12名で研究室が運営されます。
2019.3.3
4年生の奥田薫子さんが関西自然保護機構2019年度大会で、「兵庫県南部水系に生息するメダカの遺伝子型分布」というタイトルにてポスター発表を行いました。