研究科紹介

研究科長メッセージ

三浦欽也先生.jpg 人間科学研究科には、臨床心理学、人間行動学、環境科学、健康科学という4つの領域があります。研究内容やアプローチは、ずいぶん異なっていますが、人間科学とは、人間そのものについて研究する分野と人間をとりまく環境について研究する分野からなっています。 少子高齢化、メンタルヘルス、生命倫理、高度消費社会、格差社会、地球温暖化、生物多様性といったキーワードを思いつくままに並べても気づくように、人間社会を持続的に展開していくためにわれわれが直面している問題は、きわめて複合的で、それらに取り組むためには、人間について理解し、人間が及ぼす影響を把握しなければなりません。人間を知るためには、人間をとりまく環境について理解する必要があり、人間が及ぼす影響を把握しようとすれば、人間そのものを知る必要があるということです。われわれの研究科が異質な領域の研究者の集まりであるのは、そのような理由によるのです。 本研究科の院生は、それぞれの専門分野のいずれかに所属し、自ら研究を行うことで専門分野について深く学びますが、合同演習などをはじめとする大学院教育のなかで、異なる専門領域の研究の方法論や考え方についても自然に学びます。異なる専門性を持つ研究者同士の学術的対話を通して、より多角的、高次的視点から自らの研究を省察できること、それが本研究科の大きな特徴であり、人間と人間をとりまく環境という複雑きわまりない対象について研究を進める重要な手がかりとなるでしょう。まさに、これこそが本学の「リベラルアーツ」の精神に通じているのです。 本研究科は、臨床心理学、ならびに、人間行動学・環境科学・健康科学の2つの大学院教育改革支援プログラムを踏まえ、大学院教育を充実、発展させてきました。このように専門性の高い、本学ならではの大学院教育によって、地域社会や生活の中で生じている課題について、多元的な視野から柔軟に取り組むことのできる実践的な女性研究者を養成しています。