公認心理師(国家資格)とは?

心理職初の国家資格としての「公認心理師」・歴史と伝統のある「臨床心理士」
本学の公認心理師カリキュラムでは、少人数で質の高い実習や演習を展開しています。
本学の大学院では、公認心理師・臨床心理士の両受験資格を得ることが可能です。
最終的に公認心理師を目標とするか否かは、学生自身が考え、決定することを尊重しています。
◆公認心理師
わが国初の心理職の国家資格です。
2015年9月9日に公認心理師法が成立し、2017年8月15日に施行された、比較的新しい資格です。
心理学に関する専門的知識・技術をもって、相談・助言を行います。
大学の学部で一般心理学や医学などの科目を履修し、卒業後、指定された科目を開設する大学院に進むか、省令で定められたプログラムを設けた施設で2年間の実務についた人に、受験資格が与えられます。
◆臨床心理士
「公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会」が資格認定している民間資格で、30年以上の歴史があります。
2020年までに、37,249名の「臨床心理士」が認定され、社会的な認知度の高い資格です。
神戸女学院大学大学院は、臨床心理士第1種指定校です。
大学院修士課程修了後、受験資格が得られます。
公認心理師になるには
- 神戸女学院大学・大学院は、学部(心理・行動科学科)、大学院(臨床心理学専攻)ともに、公認心理師養成に対応したカリキュラムを実施しています。
- 公認心理師資格を得るためには、まず公認心理師養成対応の大学で、学部の「要件科目」(全25科目)の単位を修得する必要があります。

学部の「要件科目」には、「心理実習」「心理演習」が含まれます。
本学科では、「公認心理師プログラム」として、4年次に「心理演習」「心理実習」を開講します。
本学は、少人数制であり、きめ細やかで丁寧な指導を実践するため、3年次の前期末に、選考を行います。
志望者を募り、それまでの成績と志望理由書、面接などにより、選考された20名程度がこのプログラムを受講することができます。
「心理演習」「心理実習」の授業風景や授業内容の詳細は、下の授業説明の箇所をご覧下さい。
特に「心理実習」は全5領域をカバーし、充実した内容となっています。

本学での公認心理師カリキュラムの流れ
本学での公認心理師カリキュラムおよび授業科目について、みていきましょう。
下に示すように、1年次から、基礎的な知識の習得から応用へ、そして実践的内容へと、段階的に学びを積み上げ、専門性の土台を築いていきます。

臨床心理士になるには

心理学実験(2年次)
心理学の実験を自分たちで行い、科学的な研究の方法を学びます。


心理的アセスメント・心理学的支援法(3年次)

心理的アセスメント
様々な心理査定(性格検査・心理テスト)の理論や実施法、結果の分析法を学びます

心理学的支援法
「ファンタジーグループ」というグループワークの実習場面です

心理学的支援法
多様なワークを通し、他者とのコミュニケーションや自己を見つめる体験を重ねます
「心理演習」「心理実習」(4年次)
医療、教育、福祉、司法、産業・労働の5領域すべてにおける心理実践のエッセンスを肌で感じ、バランスよく学ぶための授業です。
心理演習
小グループ形式での模擬事例のロールプレイを通して、
- 心理的援助としての基本的応答の技法と
- 医療・教育・福祉(子育て支援)領域における支援や多職種連携の実際に触れ、心理職の役割と意義について学びます。
公認心理師資格を有する教員が複数で担当します。
ロールプレイや事例検討を通じて、心理的援助者の基本的技能や多職種連携についての学びを深めます。

課題事例のロールプレイを行い、援助者としての応答技法を身に付けます

課題事例のロールプレイを行い、援助者としての応答技法を身に付けます

グループディスカッションを行い事例の理解を深めます
心理実習
学外実習体験での貴重な学びを確実に身につけるため、アクティブ・ラーニングによる少人数制の事前指導・事後指導を徹底しています。
事前指導では、全5領域(8か所)の実習施設に関して、心理職の職務内容にとどまらず、施設の社会的役割や利用者の方々の特徴やニーズを徹底的に調べ学習します。
現場実習では、現場で活躍されている心理職の先生方との質疑応答などを通して、連携の難しさや日々の工夫、事例検討など、座学では学ぶことのできない、実践的な内容を学びます。
事後指導では、グループでの討論およびプレゼンテーションを通して、自らの問題意識を発展させ、考え、意見を他者に伝える力も育みます。



提携実習先
◆医療・保健領域 |
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◆教育・福祉領域 |
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◆教育領域 |
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◆福祉領域 |
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◆産業・労働領域 |
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◆司法領域 |
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「心理実習」実習報告会

2021年度心理実習報告会では、1期生13名が、自分の体験を報告しました。次年度の実習生も熱心に聴講し、翌年度の実習に対するイメージを膨らませていました。

1期生は、全員が無事にプログラムを終えることができました。この授業では、お互いが支えあい、尊重しあう、あたたかな雰囲気が醸成されました。
NEWS LETTER
※タイトルテキストをクリックすると授業科目「心理実習」で作成したNEWS LETTERをご覧になれます。

公認心理師カリキュラムを学ぶ学生の声

Y.Y.さん
神戸女学院大学の公認心理師カリキュラムには、カウンセリングのロールプレイや事例検討等を行う心理学的支援法・心理演習や、心理検査を行い、レポートを作成する心理アセスメント、各領域の現場に足を運び、働いている方からお話を聞いたり、施設の雰囲気を味わったりできる心理実習等の体験的な学びがあります。
理論や知識を踏まえながらも、自身で考え続ける柔軟な思考・想像力や、1つだけの正解がない多様な問題にも真剣に向き合い、吟味する姿勢を養うことができるのではないかと感じています。

K.M.さん
心理演習では、カウンセリングのロールプレイを通して知識だけでなく、基礎技術についても体験的に学ぶことができます。心理実習では、現場で働いている公認心理師の方から直接お話を伺い、心理職の実際について学びます。見学実習の前後には、チームでのディスカッションも行い、自分だけでなく、他の人の意見を聞くことが新たな学びに繋がります。
公認心理師・臨床心理士資格試験

2022年度の本学の大学院修了生の全員が「公認心理師」に合格しました!(3年連続)
2022年度公認心理師試験が7月17日に行われ、結果が10月に発表されました。
本学の大学院人間科学研究科臨床心理学分野の修了生で、今年度受験した方々は、全員合格することができました。
2020、2021年度に続き、3年連続で合格率が100%でした。合格された方々の今後の活躍を期待しています。

2021年度の本学の大学院修了生の6名全員が「公認心理師」「臨床心理士」に合格しました!
4年間を学部で学んだ後、2年間の大学院での研修・科目履修を経て、秋に両資格の資格試験がありましたが、全員が合格するという喜ばしい結果となりました。有資格者として、心理職のキャリアはここからスタートとなりますが、教育・医療・福祉等多様な領域での専門職としての活躍を応援しています
特例措置:公認心理師科目の読み替えについて(卒業生対象)
2017年度までに本学科へ入学した者は公認心理師に必要な科目を読み替えることができます。
公認心理師の受験資格取得ルートの区分Eまたは区分Fで受験する卒業生を対象に「卒業証明書・科目履修証明書」(大学用)の発行が可能です。対象者および申請方法については以下のリンクからご確認ください。
