植物生態学研究室
野嵜 玲児教授

植物群落(植生)は自然環境の最も基本的な要素です。ある地域にみられる植物群落の種類を知ることによって、そこがどのような環境であるか、またその自然環境の質を知ることができます。


日本には約6000種の植物が自生し、森林から道端の雑草群落に至るまで多種多様な植物群落(植生)を形成しています。
本研究室では群落内での種の結びつき(種組成)を重視する植物社会学に基づいて、各種植物群落の種組成や成因、地理的分布等に関する研究を、フィールドワークを中心に行っています。
研究対象となる植物群落は、自然林から雑木林、ススキ草原、河川植生、禿げ山植生、路傍の雑草群落など様々です。とくに、里山の雑木林で優占するコナラやクヌギ、アベマキなどのナラ類の生態を中心に研究しています。また、全国有数の豊かな自然が残るキャンパスも大切な研究フィールドです。
岡田山キャンパスでは、各種森林の成立と野鳥との関係、カラスの生態などについて研究しています。

- 専門分野 植物生態学 ・植生学
- 学位 農学博士
- 研究室 JD館 4F
- オフィスアワー とくに定めず
【受験生の方へ】
植物群落は自然環境の最も基本的な要素です。ある地域にみられる植物群落の種類を知ることによって、そこがどのような環境であるか、またその自然環境の質を知ることができます。都市に残された自然の森である岡田山キャンパスをフィールドにして、植物群落の研究に必要な植物分類学の知識、植物群落の調査法などが学べます。
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研究主題・研究業績を見る
<研究主題>
1.ナラ類の生態学的研究
2.大学キャンパスの自然環境調査
3.東播磨の禿げ山生態系の研究 など
<研究業績>
- 著書
[共著] 福嶋司・岩瀬徹・能代修一・大野啓一・中西弘樹・豊原源太郎・星野義延・磯谷達宏・奥富清・野嵜玲児 他8名, 図説・日本の植生(改訂版), 朝倉書店, 180pp., 16.6
- 学術論文
[単著] 野嵜玲児, ナラ林の自然史と二次的自然の保護, 関西自然保護機構会誌 第29巻, 127-142, 07.12
[単著] 野嵜玲児, 神戸女学院岡田山キャンパス自然環境学術調査報告書, 45 pp, 10.1
[単著] 野嵜玲児, 日本の森林と東アジアのナラ林生態系, 森林技術第148号, 2-7, 12.11
[共著] ◎野嵜玲児・森 美季・永野実里・野上佳代・西原光恵, 神戸女学院岡田山キャンパスの野鳥, 神戸女学院大学論集 第61巻第1号, 62-91, 14.6
など
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卒業論文題目
<2022年度>
・伝統的管理下における岡田山キャンパスの庭園植物相
・神戸女学院内旧澤田邸跡地の生物相
・人工島である西宮市西宮浜の高等植物相
・万葉池周辺のつると樹木の除伐にともなう林床植生の変化
・岡田山キャンパスにおけるカラスの生態学的研究Ⅵ. -近年の営巣状況の推移-<2021年度>
・岡田山キャンパスの庭園における高等菌類相
・岡田山キャンパスにおけるカラスの生態学的研究Ⅴ.-近年の繁殖状況の推移-<2020年度>
・岡田山キャンパスにおける帰化植物の生態学的研究-近年の動向-
・夏緑低木類の保全を目的としたコナラ二次林の管理手法の基礎的研究
・岡田山キャンパスにおける高等菌類相の研究Ⅱ.2019~2020年度の記録
・岡田山キャンパスにおける蘚苔植物相の研究Ⅱ.2019~2020年度の記録
・岡田山キャンパスにおけるカラスの生態学的研究Ⅳ.個体数と生息環境の変化
<2019年度>
・岡田山キャンパスにおける夏緑低木の分布と生育状況<2018年度>
・外来種カロライナアオイゴケ個体群の生態学的研究
・岡田山キャンパスにおけるトウネズミモチの侵入と定着
・芝生として長年維持されてきた神戸女学院グラウンドの草地生態系
・クスノキ落枝の生態学的研究-自発落枝の特徴と動態-