代謝生化学研究室
西海 信准教授
我々の研究室では、生体内に存在する「代謝物」に注目して研究を行っています。これまで「代謝物」に関連した生命科学分野の研究では、「代謝物」自体が疾患バイオマーカーになる可能性が報告されており、また、疾患機序の解明、新たな治療戦略の開発につながっている研究なども存在します。生体内で起こる「代謝」、そして、それを担う「代謝物」に関しては、まだまだ明らかになっていない機能が存在するはずで、研究室では、それを解明していくために基礎的な検証を行っています。
「代謝」や「代謝物」については、まだまだ明らかになっていないことが数多く存在しているはずで、新たな役割・機能を検証していくことは、医学や農学といった様々な研究分野、そして、実社会への貢献につながっていくと考えています。
学位 博士
研究室 JD-319
専門分野 メタボロミクス / 生化学
【受験生の方へ】
からだの中で起きている「代謝」は、ヒトを含めた生物の生命活動そのものです。この「代謝」を担っている生体物質「代謝物」は、生物におけるいろいろな活動に関係していることがわかってきているので、今後、「代謝物」に関する研究は広く発展していくはずです。
-
研究主題・研究業績をみる
研究主題
・生体内代謝物が生体機能に及ぼす影響についての検証
・代謝物網羅的解析技術に関する検証
研究業績
(過去3年の主な業績)
Nishiumi S, Izumi Y, Hirayama A, Takahashi M, Nakao M, Hata K, Saigusa D, Hishinuma E, Matsukawa N, Tokuoka SM, Kita Y, Hamano F, Okahashi N, Ikeda K, Nakanishi H, Saito K, Hirai MY, Yoshida M, Oda Y, Matsuda F, Bamba T. (2022) Comparative Evaluation of Plasma Metabolomic Data from Multiple Laboratories. Metabolites, 12(2), 135.
西海 信、三輪 洋人(2022.3.31)「疾患原因遺伝子・タンパク質の解析技術と創薬/診断技術への応用~エピゲノム、トランスクリプトーム、マルチオミクス、オープンデータベースの利活用~」「第4章 マルチオミクス、トランスオミクス解析による疾患原因の解明とその手法 3節 メタボロミクスによるがんなどのバイオマーカー探索」、技術情報協会
西海 信、辻井良政 (2021.3.30) 実験医学別冊 メタボロミクス実践ガイド サンプル調製からデータ解析まで、あなたに合った実験デザインと達人テクニック 実践編② 機器分析 Ⅰ.汎用される機器分析のプロトコール 「2 GC-MSを用いたメタボローム解析」 p87-p98, 羊土社, 馬場健史,平山明由,松田史生,津川裕司/編
西海 信、吉田 優 (2020) メタボロミクスバイオマーカー研究において課題とされる血中代謝物分析に影響を与える要因について. Proteome letters, 5(2), 45-53.
Nishiumi S, Izumi Y., Kobayashi T., Yoshida M. (2020) Possible involvement of lipids in the effectiveness of Kombu in individuals with abnormally high serum triglyceride levels. Journal of Nutritional Science and Vitaminology, 66(2), 185-190.
Nishiumi S, Izumi Y., Kobayashi T., Yoshida M. (2019) A pilot study: Effects of Kombu intake on lifestyle-related diseases -Possibility that an intake of Kombu is effective for the subjects with abnormally high serum triglyceride levels-. Food Science and Technology Research, 25(6), 827-834.
西海 信、吉田 優 (2019.4.1) 実地医家のためのバイオマーカーの最新知識 メタボロミクスの可能性. 日本医師会雑誌4月号, 第148巻, 第1号, 74-75.
西海 信 (2019.2.28) 早期発見・予防に向けた次世代がん検査技術の最前線Frontier of Next-generation Cancer Testing Technology for Detection and Response, 【第3編 消化器・泌尿器がん検査】 第10章 メタボロミクスによる早期大腸がんスクリーニングシステムの開発, p91-p98, シーエムシー出版, 監修: (編集)次世代がん検査技術企画部会
Nishiumi S., Kohata T., Kobayashi T., Kodama Y., Ohtsuki S., Yoshida M.* (2019) Comparison of venous and fingertip plasma using non-targeted proteomics and metabolomics. Talanta, 192, 182-188.
Nishiumi S. , Fujigaki S. Kobayashi T., Kojima T., Ito Y., Daiko H, Kato K., Shouji H., Kodama Y., Honda K., Yoshida M. (2019) Metabolomics-based Discovery of Serum Biomarkers to Predict the Side-effects of Neoadjuvant Chemoradiotherapy for Esophageal Squamous Cell Carcinoma. Anticancer Research, 39(1), 519-526.
-
卒業論文題目
〈2022年度〉
・腸内代謝物が癌細胞に与える影響
・血中代謝物網羅的解析における施設間差についての研究
・生体内代謝物が抗がん剤の効果に及ぼす影響